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福重の名所旧跡や地形

御手水の滝重井田町)
御手水(おちょうず)の滝(裏見の滝) 場所:長崎県大村市 重井田町
 通称「裏見の滝」の方が名前は有名ですが、正式名称は『御手水の滝(おちょうずのたき)です。滝の落差は、約30mあります。春の新緑、シャクナゲの花、秋の紅葉などで1年中、楽しめます。また、巨岩や奇石も見ものです。古記録によりますと、この滝水を汲んで草場町にある”酒の神様”『松ノ尾(まつのお)神社』に奉納され酒が造られていました。

 ここのシャクナゲ写真(約30枚)を集めた「裏見の滝シャクナゲ公園(裏見の滝自然花苑)のシャクナゲ写真特集ページがあります。また、この御手水の滝への地図は、ここからご覧下さい。
シャクナゲも新緑も見もの
絶壁の巨岩も見事
大村郷村記に書かれている『御手水の滝』(通称:「裏見の滝」)
 江戸時代、大村藩によって編纂された郷村記(大村郷村記)の『郡村之内 福重村』の『滝之事』の項に『御手水の滝』について、下記の通り書かれています。なお見やすくするために文章の区切りと思われる箇所に空白(スペース)を挿入しています。

  御手水の滝  野岳大堤下拂川と云処にあり 此処近村の勝地にて左右は深谷 末は今富村椎の木淵に流れ出 郡川に落合なり

   崖下に観音堂あり 神体祭礼等の事は都て野岳郷より支配するなり  鳥居より拝殿まて弐町三拾間 此間険阻にて 九曲リあり  拝殿より上宮まて弐拾間 石壇あり
   此谷東北の方 屏風を立たるか如き一面の絶壁にて、高サ拾七間余 横四拾間余の大岩なり 乃堤下より洩る処の水爰に落来り巌角にあたり砕て雨の沛然たるか如し  夕陽是に映し虹睨顕れ大に趣向あり

   崖下径あり通行して裏より見る故、世俗うら見の瀧と云  三月三日観音参詣の人多し 

 これを現代語訳すると概要下記の< >通りと思われます。ただし、私の素人訳ですから、あくまでもご参考程度にご覧下さい。( )内は補足や注釈です。

< 御手水の滝 野岳大堤の下にある拂川(はらいがわ)と言う所にある。ここは近くの村の景勝地で左右は深い谷間となっていて、先の方では今富村の椎の木淵(しいのきぶち)と言うところへ流れ出て、郡川と合流する。崖下(がけした)には、観音堂がある。

 神体祭礼などは、野岳郷でとりおこなっている。鳥居より拝殿まての長さは、約119mである。この間は急な坂で九つの曲がり道になっている。拝殿より上宮(最も高い所にある神社)までは、約40mあって、石段になっている。

 この谷の北東方向には屏風(びょうぶ)を立てたような一面の絶壁になっていて、高さが、約34m、横約80mあまりの大きい岩である。野岳大堤から流れてきた水は、ここで落下して岩角(いわかど)に当って砕け、豪雨のようである。

 夕日がここに映えて虹が現れ、大いにおもむきがある。崖下に道があって、裏lからも見れるところから通称「うら見の瀧」とも云っている。3月3日の観音様の日には、参詣客が多い 

 以上のように、この通称:「裏見の滝」の正式名称は『御手水の滝』と書かれていますが、また、別の古記録には、正式名称は『御手水の滝』と断りつつも、通称「みたらしの滝とも言う」の記述も残っています。当時から通常期とか乾季には、あまり滝の水量は、多くなかったと思われます。

 あと、ここは大昔から山岳宗教などへ登る修験者の修業場とも言われています。この滝や修験道をさらに登ると、郡岳(826m)があります。この郡岳の旧称である太郎岳には、太郎岳大権現がありました。現在でも山頂には、その礎石跡(柱石跡)があり、山の八合目付近(南登山口コース)には本坊跡と思われる平地があります。この太郎岳大権現に登る修験者も、この滝で修業していたのではないかとも推測されます。 (掲載日:2005年5月25日)

御手水の滝(通称:「裏見の滝」)の地図

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